夢京都コラムColumn
着物の柄にまつわる豆知識【きものレンタル夢京都祇園店】
着物の色や柄は多種多様で、どの着物を選ぼうか目移りしてしまう人もいるでしょう。
そこで、着物をその季節や場に合わせたものを選ぶようにすると、着物についての造詣が深いと思われるかもしれません。
着物の柄にはいくつかの意味が込められており、その意味を知ったうえで着用すると良いでしょう。
今回は、着物の柄とその意味について紹介していきます。
着物を選ぶときに押さえておきたいポイントとは?
たくさんの着物を前にすると何が良いか迷ってしまいます。
自分に合う色や柄もそうですが、他にも選ぶ際にポイントを押さえておくと良いでしょう。
季節感を大切にする
引用元:https://kimononadesico.com/91
着物は柄が多いですが、中でも季節にまつわるモチーフは選ぶ際に注意しなくてはなりません。
季節によって異なる花を選び、その移り変わりを着物でも楽しむのが風流といえます。
春なのに、向日葵をモチーフにした着物を着ていると違和感を持ちます。
そうならないためにも、季節に合った柄を王道のものだけでも良いので覚えておいてください。
柄の意味を知る
柄によっては長寿や豊作を願ったものや、末長く続く縁をイメージした柄もあります。
お祝いの場には縁起物の柄を選ぶと良いでしょう。
色も季節に合わせるとなお良い
着物は柄だけではなく、生地の色も大切です。
生地の色によって着物全体の印象やバランス、雰囲気が変わってきます。
たとえば夏であれば爽やかな色合いの着物が好まれます。
肌の色によっても印象が変わるので、同じ爽やかな色合いでも濃淡を変えて選ぶのが良いかもしれません。
季節別の着物柄とその意味
引用元:https://buzz-plus.com/article/2015/03/13/kyoto-mukatsuku/
季節感を大切にするのであれば、外せないのはその時期に合ったモチーフです。
特に花や樹々をあしらった柄の着物は取り入れやすく、しっかりと季節感も主張してくれます。
季節の花々と意味を知ることでTPOに合わせた着物を選ぶことができるでしょう。
春の王道は桜!
春は入学式や卒業式というイベントがあり、新たな始まりの季節です。
それらを鼓舞するように華やかな色合いやデザインの着物がぴったり合います。
そんな春に合わせた着物柄といえば、桜を頭に浮かべる人も多いのではないでしょうか。
桜は前述の通り、始まりの季節や豊かさを彷彿とさせる花です。
桜は蕾から満開まで様々な絵柄で楽しませてくれます。
桜の状態に合わせて、咲きほこっているのか蕾でおしとやかな状態なのかを考慮して選ぶのも良いでしょう。
また、4月から6月までが開花時期になる牡丹も、春に着る着物の柄としておすすめできます。
華やかな場などにぴったりのモチーフです。幸福や富を意味するため、おめでたい席でも重宝されています。
藤の花も春に選ぶ着物柄におすすめです。
藤は大人しい印象を与えてくれるため、それほど豪奢にしたくないときや控えめな印象を演出したいときにぴったりです。
春の終わりから初夏にかけて咲く花なので、それに合わせて着ると良いでしょう。
また、藤は豊作を願う意味を持ちます。
さらなる発展を祈願したい場や集まりに着ていくと良いかもしれません。
春にマッチする生地の色はピンクなどの淡い色合いが似合うでしょう。
パステルカラーであれば、春らしさを演出できます。
夏は涼しげに見える柄を選ぶ!
夏は蒸し暑いため、できるだけ涼しげな柄や色合いが良いでしょう。
目で見て涼しさを感じたいという人が多いことから、盛夏には寒色が特に人気になります。
梅雨から盛夏までは紫陽花の柄が定番です。
紫陽花はとても爽やかな色合いで描かれているものが多いため、夏の時期には紫陽花を選べば間違いありません。
また、夏の着物柄で縁起物といえば柳です。
柳は悪魔払い・神事などに用いられるので、涼しげな印象且つ縁起物を選びたいのであればこちらを選択しましょう。
華やかさよりも風流な柄を選びたいときに特におすすめです。
夏は、涼しさを求める人が多いので、上述の通り寒色の生地であれば涼しさを堪能できます。
他にも、上品さや風流を求めるのであれば、モノトーンやグレー系の色でも良いでしょう。
柄によっては寒色よりもモノトーンが合うケースもあるので、実際に合わせて見てからチョイスするのがおすすめです。
秋といえば紅葉の季節
秋の植物は風流で、季節の中で一番美しいといわれています。
秋らしい柄としてすぐに思いつく紅葉の柄も、見る人に美しさを感じさせ、印象深いものが多くなります。
紅葉は夏の疲れを癒し、秋の収穫を祝う絵柄とされています。
夏と異なり、暖色の色合いを使った温かさのあるデザインが人気です。
長寿を願う菊の柄は重陽の節句が由来となっています。
9月に行われる行事なので、それに合わせて、秋に着る着物柄として菊を選ぶのも良いでしょう。
風物詩が多い秋の季節は、それらを連想できるような色味がおすすめです。
紫や緑などを選ぶと芯があるように演出できますし、朱色などの暖色を選んでも良いでしょう。
松や梅が縁起物とされる冬の着物
冬は他の季節に比べると華やかとはいい難い季節になります。
ですがその分上品なデザインや柄が多く、一年の始まりに合ったものを選びやすい時期ともいえるでしょう。
松は樹齢の長さや、色が変わらないとされている点から長寿の象徴としての意味があります。
通年でも着られる柄ですが、冬の時期に着るとさらに良いでしょう。
松と同様に梅も縁起物の柄です。
美しく気品ある梅は逆境にも負けない強さを持つことを意味しています。
見た目も楽しませてくれる花なので、冬の柄でも華やかに演出したいときは梅を選択すると良いでしょう。
冬は赤などの少し派手な色合いの生地がおすすめです。
冬の白い景色でも華やかさを出せるカラーを選ぶことでメリハリが生まれ、より着物の良さが引き立ちます。
着物の柄はたくさんある!
季節を通して着物の柄について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
着物の柄は数多くありますが、主なものだけでも知っておくと選びやすく、着物上級者に見られやすくなるはずです。
柄によっては意味が大きく変わり、開花状態によって着る時期も選びます。
迷ったときは時期と意味を考慮して着物を選ぶのが賢い選択といえそうです。