夢京都コラムColumn
裾上げは着物を長く楽しめる【きものレンタル夢京都祇園店】
成人式に良かったら、と母から受け継いだ着物が、家の中で眠っていませんか?
30年ほど前の母親世代の着物は生地の光沢や染めがしっかりした、とても品質が良いものが多く、眠らせておくよりうまく活用したいですよね。
ですが、親子でも体型はさまざまです。
着てみたはいいものの、少し丈が合わないということもありますよね。
「着物はサイズが大きくても、調節して問題なく着られます」と、よく聞きます。
大きく感じる着物の裾上げをもし簡単に行えたら、譲り受けた素敵な着物を着ることができるかもしれません。
そこで今回は、簡単にできる着物の裾上げの方法を調べてみました。
着物の丈はどのくらいがいいの?
本来、着物の丈はどれくらいの長さがいいのでしょうか。
基本的に、自分自身の身長で選ぶのが最適です。
±5㎝程度なら、『おはしょり(後述します)』で調節もしやすいです。
そして、着物を着用する際の丈の許容範囲については以下のとおりです。
・小紋や紬の場合…くるぶしの下あたりと、床面の中間の位置
・訪問着などの場合…床面より少し上の位置
これらが美しいとされています。
あまり長すぎたり短すぎたりすると、バランスが悪くなってしまうので長さは重要です。
参照元:https://www.kateigaho.com/kimono/50854/2/
もっと丈が長い場合は?
一般的にいわれている±5㎝どころか、10㎝以上長い着物で悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そういった場合でも、実はおはしょりで調節可能です。
ただ、15㎝以上とあまりに長すぎると、その都度の調節が難しくなったり、おはしょりが大きくなりすぎたりする場合もあるので、そういった場合は着丈直しをした方が結果的に着用しやすい場合もあるのも事実です。
ですが訪問着など、普段あまり着用しないものなら、その都度調節でも十分綺麗に着用できます。
おはしょりでの調節の仕方
では実際にどのように調節するのか、お話させていただきます。
着物は女性の身長よりも長く作られていることが多いため、着物を腰の辺りで折り返し帯から下に出す『おはしょり』という方法が使われてきました。
この方法を使えば、着物の丈が長くても簡単に裾上げができてしまいます。
綺麗なおはしょりの長さは、自分の人差し指1本分の長さが目安で、約8㎝といわれています。
長めの着物の場合、いつものように腰紐を普通に結んでしまうと、おはしょりが長めに出てしまい、脚が短く見えてしまいます。
おはしょりの長さは、とても重要になってくるのです。
丈が少しだけ長い場合はおはしょりじゃなくて良いことも
「とても長いというわけではないけれど、着ると少し長い気がする」というような場合もあるでしょう。
そういった時は、腰紐をいつもより少し高めに締めるだけでも解決することもあります。
あまり高い位置で締めると胸が苦しくなってしまうこともあるので、いつもより高めにしたけれどまだ長いと感じる方は次の方法を試してみてください。
丈が5㎝以上長い場合はおはしょりで調節
そのまま着ると長く感じられ、不格好になってしまうのが5㎝以上長い丈です。
そのような時はおはしょりで調節しましょう。
- 腰紐を通常通りに締めます。この時、腰紐の下のしわを綺麗に伸ばしておくといいでしょう。
- 下前を折り上げ、おはしょり部分を1枚にします。
- 衿元から下に向かって、滑らせるように胸紐を締めましょう。
- 帯を当ててみて、おはしょりをどの位置にしたいのか、事前にチェックします。
- 右手をおはしょりに差し込んで、好きな位置まで引き上げます。この時、後ろも少し持ち上げますが、のちほど整えるので、今は整っていなくてもOKです。
- 紐をもう一本取り、⑤で引き上げた部分の真ん中あたりで軽く結びます。この紐は見えてしまうことが多いので、きちんと端をからげておき、上側を下に折り返しましょう。そうすると、③の胸紐が見えるようになります。
- ③の胸紐と⑥の胸紐の間から生地を引きだし、後ろのおはしょりを整えましょう。
- 右脇に余った部分を前の方に寄せ、中に入れ込んでしまいます。あとで引っ張ってしわを伸ばしたい場合、⑥で結んだ腰紐の上に折り返して引っ張りながら直します。
- 最後に伊達締めをしてでき上がりです。
おはしょりで調節はできましたが、気になるのが後ろ姿。
半幅帯などの場合、後ろ部分のおはしょりが二重に見えてしまうこともあります。
そういった場合は、あまりの部分を折り上げておきましょう。
そして、通常通りに帯結びを始めれば完成です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
たとえサイズが合わない着物でも、特別な道具を使わずに、おはしょりを少し調節することで着用できるのが嬉しいものです。
この方法をマスターすれば、これからはサイズに拘らずに、柄や色、素材で着物を選ぶことができるようになります。
母から受け継いだ着物も、もちろんスッキリと着こなせます。
あなたにピッタリの丈感に仕上げて、さまざまな場面を美しい姿で彩ってください。