夢京都コラムColumn
【京都三大祭り】それぞれの行事にあう着物とは?
着物は、季節によって異なる素材やデザインを選ぶのがおすすめです。
季節外れのものを選んでしまうと、暑過ぎたり寒過ぎたりしてしまいますし、不格好になってしまうためです。
快適に楽しく過ごすためには、季節に合った着物を着こなせるようにポイントを押さえておくことが重要になります。
今回は京都三大祭りに合う着物の着こなし術を紹介していきます。
葵祭にぴったりの着こなしはこれ!
京都三大祭りの1つ、葵祭は5月15日に行われるお祭りです。
時期的に気温が不安定なため、気温を見て単衣(ひとえ)か袷(あわせ)か考える必要があります。
一般的に単衣は季節の境目である6~9月に着るのに適した着物で、袷は10~5月に着用するのに適した着物です。
時期的には袷を着るのが正解ですが、暑い日や比較的暖かい地域であれば5月や10月くらいでも単衣を着た方が良い場合があります。
特に京都は比較的暖かい地域で、以前葵祭が開催された日は、気温が35度になった日もあります。
また、葵祭のように大きなお祭りやイベントがあるときは、人が集まるために余計に熱気がこもってしまうものです。
そのため、5月でも単衣を着た方が良いといえます。
肌寒くなってしまうと困ると考えるのであれば、上から羽織れるものを一枚用意すれば問題ありません。
葵祭のときは、単衣にショールで赴くのがおすすめです。
暑い日は涼しげな装いが似合います。
おすすめは淡い色合いで、季節の柄をあしらったものです。
パステルカラーの着物は、納涼感を出してくれますので、気温が上がった日には向いています。
また、使用する帯や帯締めの素材にもこだわった方が良いでしょう。
帯は夏用着物の紗(しゃ)や絽(ろ)を使用したものを選び、帯締めも帯の季節感に合ったものを選ぶのがポイントです。
暑さを感じさせない色とデザインを選ぶと、着物に慣れた上級者に見えるのではないでしょうか。
なお、葵祭の時期は、気を抜いていると脱水症状を起こす可能性もあることから、暑さ対策を存分に行うのがベストです。
水分はもとより、日傘や扇子の用意も忘れないようにしてください。
待ち時間は日陰に移動して、涼むと良いでしょう。
葵祭には同様に着物で参加する人も多くいます。
日陰の場所をチェックして、快適に過ごすようにしてください。
夏の風物詩!祇園祭に和装で参加!
京都のお祭り、特に祇園祭となれば、参加するときの服装はできれば着物が良いと考える人も多いでしょう。
同様に和装で参加している人が多くいるので、風景に溶け込んだ服装をして、雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。
ただ、ここでポイントになるのが着物の生地です。
夏の真っ只中である7月に開催される祇園祭は、暑さとの戦いになります。
30度後半の気温になることもあるので、暑さ対策を万全にしておきたいところです。
葵祭と同様の単衣を着てしまうと、途中で暑くなってしまいます。
夏用の着物である、薄物(うすもの)を準備するのがおすすめです。
薄物は、紗や絽、麻などで仕立てられた薄めの着物です。
長襦袢が透けて見えるので、とても涼しげな印象を持ちます。
注意する点として、長襦袢と着物の寸法が合っているかどうかです。
寸法が合っていないと不格好に見えてしまいます。
なお、祗園祭の時期の着物は、できるだけ薄い色合いや寒色系の色味を使用しているものを選ぶのがおすすめです。
薄めの色合いでも色によっては涼しげに見えないものもありますから、ほかの人に確認してもらい、涼しそうに見えるといわれた着物を選ぶのが良いでしょう。
帯や帯締め、帯留なども夏らしい小物を揃えるのがおすすめです。
素材もそうですが、色にもこだわると、納涼感が出ます。
帯留は、透明なガラス細工のものをチョイスするのも良いかもしれません。
10月の時代祭は着物に悩む
京都三大祭りのうち、時代祭は10月半ばから後半にかけて行われるお祭りです。
時期的に、着物の素材に悩む人も多いのではないでしょうか。
10月なので一般的には袷ですが、気温が高ければ単衣を着る人もいます。葵祭と同様に、気温を見て決めるのが正解といえるでしょう。
色合いは、夏の寒色系と違い暖色系が好まれています。
紅葉を彷彿とさせるような、深みある赤やオレンジ、臙脂(えんじ)を取り入れるのがおすすめです。
帯も秋らしい色合いや、銀杏の色合いを取り入れた黄金色で合わせるのも良いでしょう。
帯締めはボルドーカラーを取り入れると、色が映えて美しく見えます。
帯留も、暖かさを感じられるような素材やデザインが好まれます。
冬に近づいてくる季節なので、見た目は暖かさを感じられるように配慮するのがポイントです。
袷は、重厚な印象の柄や色合いが多くありますが、10月であればもう少し軽やかな装いの方が良いかもしれません。
季節や気温によって着物を変化させて
季節によって気温や湿度が異なり、それに伴って選ぶ着物も変化します。
素材によって体感温度も変わるので、体調を悪くしないように着物の素材選びには注意が必要です。
また、その時々に応じた装いをすることで、着物上級者にもなることもできます。
着物は、本体だけではなく、帯や帯締めなどの小物にも配慮してトータルコーディネートするのが良いでしょう。
京都の三大祭りは、同様に着物で参加している人も多くいます。
その人たちの装いを見て、参考にするのも良いかもしれません。
着物で参加できる行事には、積極的に着物を着用し、その雰囲気を大いに楽しんではいかがでしょうか。